
「イワトビペンギンの上陸。波がくだける岩場に上陸する。干潮時には、海岸にはい上がる前に、岩礁上にケルプ(亜南極の海岸に生息するナンカイコンブ科の大型の褐藻類)が密生したところを通り抜けて行かなければならない。歩く時は頼り無く見えるが、両足をそろえて前方に跳ぶことで、すばやく確実に移動することができる。」
…以上『ペンギン・ハンドブック』(どうぶつ社発行)より引用
「海に出ていた親鳥たちが続々と陸に戻って来るのだ。営巣地は崖の上にあって、垂直距離で三〇メートル以上。最大斜度はたぶん四五度近くはあろう。それを登ってこなければならない。
案の定、大変そうだ。夕方五時頃、崖の下の海には帰りの早い親鳥たちがたむろしはじめる。でも、ただあたりを泳ぎ回るだけで斜面に取り付こうともしない。六時半になって、やや潮が満ちてきて、ようやく行動に出た。激しくたたきつける白波に乗って崖の中腹にまで運ばれて、そのまま翼をばたつかせる。斜面に腹を押し付けて、引き波にさらわれないように懸命に翼を動かし続け、なんとか水面から五メートルほどの踊り場でストップする。
しかし、あと二五メートル残っている。クチバシと翼と脚を使って、ペンギン版”三点確保”をしながら、ペタリペタリという足さばきで少しずつ登ってくる。しかし、一メートルもいかないうちに、ひときわ大きな波がやってきて、あえなく墜落してしまうのだ。
たぶん潮が満ちる深夜には無事に家族の元へと帰り着くのだろうが、それにしても気が遠くなる話だ。」
…以上『ペンギン大好き!』(新潮社発行)より引用
「元気一杯。賑やかで、ケンカ早い!」の、イメージのあるイワトビペンギンですが、その生活風景は、ひたすらに、一生懸命。フォークランド諸島の吠える荒海でもまれ、上陸するだけでも 3・4回挑戦しなくちゃいけない。さらにそこから何十メートルもの崖を登りきって、ようやく子供達の元へ…。
…その土地で生まれ、ただ 生きていく。ただ、ただ、平凡にも生きていく。調べてみると、その姿は 切なくなるほどに一生懸命。
『奇跡 〜大きな愛のように〜』「さだまさし」を聞きながら、このムービーを作りました。さださんは曲の中で「どんなに切なくても、必ず明日は来る。長い長い 坂道登るのは、あなた一人じゃない。」と、歌ってます。
こうして生きてる。それだけでも 幸せなんじゃないかな。「生きている事」、それが幸せの基準なら、世の中はなんて素晴らしい。イワトビ達も一生懸命生きてる、当たり前の事だけど、素晴らしく幸せな事なんだろうなぁ。 …作者