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コガタペンギンの紹介

ペンギン界の妖精?

コガタ属コガタ種

【学名】

Eudyptula minor

【英名】

Little Penguin , Blue Penguin , Fairy Penguin

【別和名】

フェアリーペンギン ブルーペンギン
コビトペンギン リトルペンギン

【亜種】

1976年、キンスキーとファラによって6亜種が確認された。 しかし、1988年のメレディスとサイン、1990年のマーチャントとヒギンズらの研究によって、 ニュージーランドの5亜種については、地域的な小差にすぎず、独立した亜種とするには疑問があるとされている。 ただし、ハネジロペンギンだけは、研究者の間では、まずは独立した亜種として認められている。 D.ボースマは、「最新(1996年)のDNA分析によれば、ハネジロペンギンを独立種とするほうが良い」との見解である。

ハネジロ

Eudyptula minor albosignata
  (↑亜種として呼ぶなら)

フェアリー

Eudyptula minor novaehollandiae

クックコガタ

Eudyptula minor variabilis

ミナミコガタ

Eudyptula minor minor

チャタムコガタ

Eudyptula minor chathamensis

キタコガタ

Eudyptula minor iredalei

当サイトでは、ハネジロを独立種として扱ってます。

【由来】

種小名のミノールminorは、「小型の」という意味。

形態

成鳥の形態

最も小型のペンギン。 雌雄の外観はほぼ同じだが、オスがやや大きい。

特徴

身体が小さく、青味がかった灰色の羽毛なので、他のペンギンと容易に識別できる。 ハネジロと比べ、体重は10〜20%軽い。 背側は灰色がかった青色。 フリッパーの後縁だけに白い縁どりがある。夜行性のペンギン。

身体

頭部は灰色がかった青、顔と側頭部は灰色で、のどと頬に向かって次第に白くなる。

背側は換羽直後は灰色がかった青だが、次第に灰色が強くなる。 腹側はのどから腹を通り尾っぽの付け根あたりまで白い。

フリッパーの背側の後縁だけが白い。 フリッパーは、背側は灰色がかった青で先端に行くに従い青が弱まり少しずつ黒ずむ。 後縁も前縁も白い個体もいる。 腹側は白い。

尾っぽは、全体に灰色がかった青だが、羽軸は黒い。 尾っぽの付け根に白い羽毛があるものもおり、尾っぽの背側全体が白いのもいる。

( 直立ではなく、前傾姿勢で2足歩行するこのペンギンが、ペンギンの祖先に一番近いと考えられている。 )
 亜種間の身体の大きさ順は、ハネジロが最大で、次がフェアリー。 クックコガタが次いで大きく、ミナミコガタとチャタムコガタが同じくらいで、最小がキタコガタ。

目くちばし

虹彩は、薄い銀色、濃い灰色または薄い茶色。 くちばしは全体的に黒く付け根に近いほど肌色に近づく。

足は上面が白、肌色、灰色が混ざり合い、裏面は黒い。

体長・体重

40〜45cm 1.0〜1.1kg

幼鳥の形態

成鳥よりくちばしが短く細い。 初めの柔らかい綿羽は、 黒っぽい茶色です。 巣立ち間際の羽毛は、換羽前の成鳥よりも薄く鮮やかな青色。

食べ物

主に、浅いところにいる12cm以下の小型の、魚やイカ・タコなどの頭足類。 まれに、甲殻類を食べる事もあるが、餌生物の種類は豊富。

性格

フェアリー(妖精)の呼び名とは掛け離れて、成鳥はとても攻撃的。 小さい身体に似合わず、性格はとても厳しい。 威嚇したり、噛みついたり、フリッパーで叩いたりして、直接攻撃で自己防衛する。 凶暴なのは、身体の小ささゆえの過剰防衛だろうか。 ただ、仲間同士で喧嘩するにも、幾つかの儀式的な段階がある。この事は出来れば不要な喧嘩を避ける為だろう

寿命

 

コガタペンギンの生息地図

コガタペンギンの生息地図

生息環境

生息地

オーストラリアとニュージーランドの本島および周辺諸島の海岸部に分布。 限は、オーストラリアのペンギン島とカルナック島(南緯32度)、南限はニュージーランドの南島およびスチュアート島(南緯47度)。 冬期の非繁殖地でも、成鳥は本来の繁殖地から遠く離れる事は少なく、定着生が強い。離れたとしても、100km以内に留まる。

亜種繁殖地

フェアリー

オーストラリア本土の西岸および南海岸とその周辺の島々、ヴィクトリア州、ニューサウス・ウェールズ州、タスマニア島。

クックコガタ

ニュージーランド北島では、エグモント岬南部からフウケ湾、南島ではカラメアからクック海峡を通ってモントゥナウ島南部。

ミナミコガタ

ニュージーランド南島の西岸カラメアから東岸オアマル、フォーヴァー海峡からスチュアート島にかけて。

チャタムコガタ

チャタム島。

キタコガタ

ニュージーランド北島北部、カウヒア南部とイースト・ケープ東部。

個体数

地中に巣穴を掘るタイプは個体数調査が難しく、正確には分かっていない。 オーストラリアでは全体で、少なくとも100万羽がいる。 ヴィクトリア州に2万巣、ニューサウス・ウェールズ州に1万6800つがい。 ニュージーランドには、2万5000〜5万羽いる。

繁殖時期

繁殖時期は、各繁殖地によって半年弱もずれていて、年に2回産卵する個体もいる。 繁殖地への帰還は、成鳥の定着生が強いので見極めにくい。
 産卵時期は、4〜10月の間に、各繁殖地で2ヶ月間続けられる。2つの卵を産み、33〜43日間交代で抱卵する。 2つの卵は、ほとんど同時に孵化する。どちらかの親がヒナのそばにいる警護期は20〜30日間続く。一般的にヒナは夜間両方の親から給餌を受ける。 巣立ちは孵化後48〜63日ごろ。

成鳥は定着生が強く、一年を通じて繁殖地周辺にいて、いつもきちんと決まった巣穴を利用している。 洞穴性の個体群と穴居性の個体群とに分かれます。

洞穴性のものは、波の侵食によって出来た洞穴を利用しています。 岩場など巣を掘るのに適さない場所では、洞窟や、岩の下、岩の隙間、茂みの下に作られる  穴居性のものは、穴を掘ったり、岩の下、薮の中、建物の下、洞窟の中など、遮蔽物のある安全な場所ならどこでも利用する。 巣穴は、雌雄共に掘る。ただ、どちらかと言えばオスがくちばしと足を使って掘る。 繁殖地で巣のの分布密度は低い。

巣穴を掘るには数週間を要し、最終的に自分の気に入った巣穴を決めるまで、2つ以上の巣穴を掘る事もある。 さまざまな植物が巣材として使われる。 また、ミズナギドリやヒメクジラドリが掘った巣穴を利用するチャッカリ者もいる。

クレイシ

岩穴に巣を作るタイプのものでは、3〜6羽からなる小さなクレイシを作ることがある。 地中に巣を作るタイプのヒナの場合、クレイシを作ることはほとんどない。

育雛と巣立

一般的には一度の産卵での卵は2つだが、3つ産卵するつがいもいる。 その場合の原因の第一は卵の喪失で、産み足す意味でもう一つ卵を産む。 「なんでぇ」と思うのは、第二のメスによる産卵で、コガタは、メイト・スワッピングという夫婦交換が隣接する巣の間で行われます。 (←元のメスは、そのまま育てるのだろうか? …作者)

抱卵期間は観察地によりバラつきがある。 抱卵の間隔は、16〜17時間、夜間は6〜7時間でメスの方が抱卵時間が長いという。 実際にはこれほど周期的ではなく、岩穴に巣を作るもの以外は、1〜数日間抱卵し続ける場合もある。 ブラニー島とフィリップ島の場合、抱卵期間は長く、1〜8日間です。

孵化後7〜10日間は、夜間親鳥は両方とも巣にいて、均等に警護を交代する。 ヒナは夜間両方の親から給餌を受けるが、その頻度は比較的少ない。 巣穴を掘るタイプでは、育雛期の終わりになると、時に4腹分のヒナが1つの巣を共同で使うことも観察されている。 (長い繁殖期の間に、それぞれに成長したヒナが4羽、一つの巣を使っているという事か? じゃぁ、親鳥は、大変だ! …作者)

日が昇る直前に「ラフト(いかだ)」と呼ばれる集団を作って海に入って餌を探し、夕方から夜にかけて巣に戻ってくる。 夜行性で、夜、ヒナに餌を与える。 大きくなったヒナは、夕暮れになると巣の外に出て、海から戻ってくる両親を待つ。 親鳥が帰ると、ヒナ達はしつこく騒ぎ立て、親を倒さんばかりに叩いて餌をねだる。 ヒナがあまりにうるさく餌をねだり続けると、親鳥は他の個体の巣穴に逃げ込むこともある。

換羽

繁殖期が終わると、成鳥は2〜3週間から数ヶ月を海で過ごし、餌をよく食べ換羽に備える。 体重は2倍にもなり、いつもの砂丘や急斜面を登り自分の巣穴まで行くのが大変困難になる。 その為、時に岩の下や薮など安全なところを隠れ場所とすることもある。換羽には2〜3週間を要する。

補足

  • 洞窟に巣をかまえるコガタは、何羽かが集まって『合唱団』を作って男らしさを競い、配偶者を見つけます。
  • フィリップ島の「ペンギンパレード」は、観光のアトラクションとして、世界的に有名である。 年間50万人もの観光客が訪れ、毎夜、夕闇につつまれる頃、まばゆい照明になれたペンギンが海から海岸に上がってくる光景を楽しむことが出来る。
  • コガタは陸上では完全に夜行性で、早朝暗いうちに海に出かけ、夕方くらくなってから陸地に帰る。 これは多分、猛禽類やカモメ類を避けるために身に付いた習性ではないかと考えられます。 夕方、沖合に集合し『ラフト(いかだ)」と呼ばれる集団を作り、日没後2時間以内に、波間から突如として上陸する。 ただし場所によっては、昼の明るいときでも海岸に上がってくるものがいる。
  • コガタの睡眠はちょっと変わっていて、たった4分間の眠りを、繰り返しとります。 日中でも海に出かけないときは、4分間を繰り返しかなりの時間を眠るそうです。
  • J.R.ワース博士の『コガタペンギンの攻撃相互作用の中でのコミュニケーションの分析』の論文の中で、 コガタペンギンの攻撃を観察して、そこに合理的な行動のパターンが有る事を述べています。 いくつもの段階を経てコガタ達は、「やれるなら、おたがい、なごやかにやろうじゃないか。」と、不要な喧嘩を避けているようです。
     (論文そのものの日本語訳を読んでみたいですが、ちょっと見当たりません。 『ウィロー教授のペンギン学特論』SEG出版 の中に、分かりやすく紹介されています。 …作者)
  • 海上でも陸上でも、コンタクトコールによって個体間の社会的な結びつきを強めている。
  • 羽づくろいは、つがい同士で行われるが、ねぐらに集まって眼を閉じ休んでいる個体間でも、 くちばしが他の個体に触れると、それをきっかけにして「相互羽づくろい」が始まることがある。
  • コガタは、キツネ、イヌ、ネコ、イタチなど、人間が導入した帰化動物に捕食されている。 また、プラスチックごみや、釣り糸にからまったり、原油汚染によって死に至ることもある。 また、道路で車に引かれたり、野焼きで焼かれたりする。 伊勢エビ類を養殖するための餌として、また、人間の食糧として、違法に密漁されることもある。
  • 生息地が農場や住宅に変わり、生息地域が減少したが、 現在では多くの生息地への進入が禁止され、元のように自然を回復させた土地もある。 フィリップ島では、1980年代初め、コガタの生息地周辺の住宅開発が禁止された。 土地を買い取り、そこにあった180軒の家屋を撤去し、かつての生息地を元通りに回復した。 また、新たな生息地づくりもおこなわれ、コガタ達は巣箱や地面に埋めたパイプも利用して営巣している。 巣穴周辺にある道路での夜間の通行規制を行ったところ、コガタの交通事故死が大幅に減った。 しかし、悪質な蛮行が行われることもまだある。

参考書籍

  • 『ペンギン大百科』 平凡社

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  • 『ペンギン ハンドブック』 どうぶつ社

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  • 『ペンギン ガイドブック』 阪急コミュニケーションズ

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  • 『ペンギン全種に会いに行く』 平凡社

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  • 『ペンギン大好き!』 新潮社

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  • 『ウィロー教授の ペンギン学特論』 SEG出版

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  • 『ペンギンになった 不思議な鳥』 どうぶつ社

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