呼び名通り、王様の気品
Aptenodytes patagonicus
King Penguin
王ペンギン オウペンギン
オウサマペンギン オオサマペンギン
現在2亜種が知られている。
ヒガシキングペンギン Aptenodytes patagonicus patagonicusは、サウス・ジョージア諸島とおそらくはフォークランド諸島で、
ニシキングペンギン Aptenodytes patagonicus halliは、ケルゲレン諸島、クロゼ諸島、プリンス・エドワード諸島、ハード島、マッコーリー島で繁殖している。
種小名のパタゴニクスpatagonicusは、パタゴニアに由来する。おそらくキングペンギンは、その地方で最初に記載されたのだろう。
ペンギンの中では、2番目に大きな種。 雌雄の外観はほぼ同じ。
成鳥の首の左右に鮮やかなオレンジ色をしたコンマ形の斑紋があり、 下くちばしにはピンクまたはオレンジ色の装飾片(周期的にはがれ落ちるくちばしの一部)がある。
頭からあご、のどにかけては黒く、換羽直後は緑色の光沢がある。 首の両側にあるオレンジ色でコンマ形の斑紋は幅約2cmの細い帯となり、首から胸の下部にまで広がっている。
背側は首から尾っぽまでが青味がかった銀灰色。 換羽が近づくにつれ色は鈍く、茶色がかってくる。 この銀灰色の部分は黒く縁取られており、首の両側の斑紋からのどのあたりを経て、フリッパーの前あたりのわき腹にいたる。 この縁取りはフリッパーの付け根すぐ上で、最も太くなり幅約1cm。 胸の上部には、のどの黒い羽毛と混じりあってオレンジ色の羽毛が生えているが、 これは下にゆくにしたがって淡い黄色へと色あせてゆき、胸の下部にいたり白くなる。 腹部は光沢のある白色である。
フリッパーの表側は背中と同じ青味がかった銀灰色で、裏側は全体的には白が主体だが、付け根のあたりは青味がかった黒である。 この黒い羽は細い帯となってフリッパーの前縁部に伸び、先端にある黒い羽の領域につながっている。 ただし、フリッパーの裏面が真っ白な個体もいる。
虹彩は、茶色。 くちばしは、細長く湾曲は少ない。 上くちばしは黒っぽい。 下くちばしは先端だけ黒いが、「装飾片」と呼ばれる鮮やかなオレンジ色ないしピンク色のプレートが3分の2の長さにわたって広がっている。 このくちばしの側面から付け根までを覆った角質(かくしつ)のプレートは、換羽後古いプレートがはがれ落ちて、色のついた新しいプレートに換わる。
足は暗い灰色で、前足首までは羽毛に覆われていない。
85〜95cm 24.7〜36.7kg
孵化直後は灰色がかった茶色の毛がまばらに生えている。その後、茶色い羊毛のような密生した羽毛に生え換わる。そのため、フード付きの長い毛皮のコートを着ているように見える。この綿羽は約10〜12ヶ月齢まで維持される。くちばしは換羽を迎えるまでは黒く皮のように硬い。
初期の探検家達は、以前、キングの「成鳥」と「ヒナ」は似ても似つかないので、別の種の鳥だと考えた。
主として小さな群集性の魚やイカなどを食べている。 餌は日中に捕り、100〜300mも水に潜る。潜水深度の最高記録は、322m。
キングは、ほとんど人間を恐れていないように見える。人間達がしていることにしばしば好奇心を示す。 以前、観察者がジェンツーペンギンにフリッパーバンドを取り付けようと一生懸命になっているとき、 キングがまるでそのことに興味があるかのように、肩越しにじっと見つめていたことがある。 キングは、さらに好奇心をそそられると、前まで歩いてきて、長靴や身に付けているものを丹念に調べるような行動を示したが、 やがて興味を失い、ぶらっと歩き去った。
キングペンギンの生息地図
繁殖地は南緯45〜55度に位置する亜南極の島々で、南極に比べると、いくらか温暖な地域で繁殖している。 サウス・ジョージア、マリオン、プリンス・エドワード、クロゼ、ケルゲレン、マッコーリーなどの島々。 南極収束線より南では、ハード島、ファオークランド諸島で繁殖している。 生息範囲は、大西洋、インド洋、南大洋、アジア地区の亜南極および南極海低緯度地域。ただし詳細はほとんど分かっていない。
1993年、クロゼ諸島に45万5000,プリンス・エドワード諸島に22万8000、ケルゲレン諸島に24万〜28万、サウス・ジョージア諸島に約10万(ただしこの計測値はおそらく低すぎる)、マッコーリー島に7万つがい。全体での個体数は最低でも107万800つがい、と報告されている。
繁殖地以外でも南極半島、南極大陸、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドで目撃されている。
キングの繁殖は、基本的には通年繁殖で、抱卵と育雛に14〜16ヶ月を必要とする。 キング達は繁殖期前に換羽を終わらせるために、9〜1月に上陸する。 換羽後、11〜3月に産卵のために帰還するまで20日間海に戻る。 ヒナは12〜1月には巣立つ。
巣ではなく、抱卵と育雛は親の足の上で行われる。 卵を足の上に乗せ、上から抱卵嚢(ほうらんのう)と呼ばれるたるんだ お腹の皮をかぶせ温める。
キングの繁殖は、基本的には通年繁殖です。
抱卵と育雛に14〜16ヶ月を必要とする事が、繁殖サイクルを複雑にしている。
繁殖頻度が前の季節の繁殖の成否によって決められる。ほとんどの個体は毎年繁殖を試みるが、成功するのは最大でも3年のうち2回である。
キング達は繁殖期前に換羽を終わらせるため、9〜1月に一度、上陸する。
換羽を終えたキング達は、体力を回復するために海に戻る。
それから11〜3月に産卵のために、またコロニーへ帰還する。
産卵の期間は11月下旬から4月中旬と長く、年ごとに大きな変動がある。
産卵から数時間はメスが卵を保持する。 その後、オスに卵が渡され、最初の抱卵交代が行われる。 抱卵は計54〜55日間続き、この間両親は4〜10回、抱卵を交代するが、交代の間隔はかなり長い(6〜18日間)。 メスは、最後の抱卵交代を引き受けると、孵化まで抱卵する。 孵化には、2〜3日かかる。 そして、そのまま平均5.6日間育雛する。 交代で育雛は、行われる(3〜7日間隔で交代)。
その後、26〜43日間、両親に守られながら育てられる(警護期)。 この育雛はクレイシ(共同保育所)が作られるまで続く。 9〜10月にかけて、親は規則的な給餌を再開する。 そして、ヒナは12〜1月には巣立つ(10〜13ヶ月齢)。
年間を通じてコロニーにはいろいろな段階の繁殖活動中のキングがいる。 サウス・ジョージア島では、繁殖サイクルは3年周期です。 一方、クロゼ諸島では2年周期です。 ところが、ポゼッション島とマリオン島では多くの個体が毎年繁殖を試みる。
ポゼッション島では、第一シーズンに ヒナを巣立たせるのに成功したキングの内、47.8%が次のシーズンにも繁殖を試みた。 しかし、繁殖に成功したのは、わずか1つがいだった。 その他の個体は、育雛の早い段階でヒナを失ったが、そのほとんどは第三シーズンに 繁殖に再挑戦している。 これらの内、第二シーズンでもまた抱卵中に失敗した個体や、第一シーズンの1月初めに産卵したものは、第二シーズンの比較的早い時期に産卵する。 10月にヒナを失った個体は全て翌年の1月に再び産卵した。 これに対して、それ以降に失敗した個体の繁殖スケジュールは、繁殖に成功した個体と同様であった。 巣立ちは、ヒナの月齢が10〜13ヶ月で、10月下旬〜4月上旬に行われる。
ハドルを形成する個体は、ブリザードの風下に向かってかたまり、同じ歩みでゆっくりと、ハドルの外側を回って前方に移動する。 こうしてハドル中央部の最も暖かい部分へ、入り込もうとする。
何も障害のない状態であれば、クレイシはわずか3〜4羽のヒナで作られるのが普通。 大きなクレイシは、ヒナ達がおびえたときや危険にさらされた時、悪天候のときに作られる。 極端な例では、数千羽のコロニー全体で1つのクレイシを作ることもある。
ヒナ達は、どんなに寒くてもハドルを形成しない。 エンペラーと違って、ヒナ達は一定の体温を維持できる。 キングの親達は、クレイシにいるヒナに餌を与えはするが、守ることはない。 そのかわり、若鳥や、単独の繁殖個体が、クレイシの周りを警護している事もある。
繁殖前に換羽を終わらせる為に、9〜1月に上陸する。 換羽にかかる期間は、31.0±3.9ないし22.7±1.6日間で、これらはそれぞれ到着の早かった個体、遅かった個体のデータです。
下くちばしの装飾片が換わるのは、羽が生え終わってからで、通常 換羽後の採餌旅行から帰るまでの間に起こる。 換羽を終えたキング達は、体力を回復するために海に戻る。 それから11〜3月に産卵のために、またコロニーへ帰還する。