温和で、おっとり
Pygoscelis papua
Gentoo Penguin
温順ペンギン ゼンツーペンギン
2亜種が確認されており、それぞれ
(キタジェンツーペンギン) Pygoscelis papua papuaと、
より小さな(ミナミジェンツーペンギン) Pygoscelis papua ellsworthiiと命名されている。ただし羽毛に関しては全く差がない。
種小名のパプアpapuaは、パプアニューギニアに由来している。
なんともペンギンには不似合いな熱帯地方の名前が付けられたのは、標本に分類票を付ける際、出所を間違えた為です。
英名のGentooはポルトガル由来の言葉で異教徒を指し、頭の白い斑紋がターバンに似ているので名付けられた。
中型のペンギン。雌雄の外観はほぼ同じ。
頭部とのどの羽毛は黒。
ただし、両眼を結ぶように、頭頂部を通って白い三角状の羽毛の帯があり、眼の白いアイリングとつながっている。
頭とのどは黒く、頭部の左右の白い三角状の斑紋は頭頂部でつながっており、眼の周りの白いアイリングへとつながっている。 白い羽毛が不規則に頭から襟の黒い羽毛の中にちりばめられている。 この白い羽は、成鳥ではさらに広い範囲に分布している。
体の背中側や尾羽の上側は青味がかった黒です(時間が経つにつれ、茶色っぽくなる)。 腹側は白く、のどの黒い部分とハッキリと分かれている。白い羽毛の帯が、尻と尾っぽの間に広がっている。
フリッパーの表側は背中と同じ黒で、前側の縁には細く白い帯があり、後ろの縁には幅の広い白い帯がある。 裏側は大部分が白くなっているが、先端には黒い部分がある。
虹彩は、茶色。 目の周りには白いアイリングがある。 くちばしの横側は光沢のあるオレンジがかった赤で、上のくちばしの上のラインと先端は黒くなっている。
足は、薄い白っぽいピンク色から赤色。
75cm 5〜5.5kg
初めの羽毛は、背面が濃い茶色、腹面は白色。くちばしがそれほど硬くなく、縁の部分も鋭くない。
最初の換羽を迎えると、あごと、のどには灰色の斑点があるものもいる。
眼の斑紋があるすべての個体は、眼の上の斑紋が眼の周りのリングとつながっていない。
(巣立ち後、成鳥への換羽が行われるまでは、つながらない。)
ジェンツーは、その時々の環境条件に応じて生活の仕方を切り替えていく(日和見主義の摂食者)。 食べる餌もそれに合わせ、切り替えていく。 場所によって、群集性の魚類だったり、オキアミだったり。
ペンギンの中では臆病で穏やかな性格。仲間同士でのケンカはよく見られるが、他の生物との間で攻撃的なやりとりをすることは、あまりない。
人間が近づくと巣を離れてしまうほど臆病だが、ヒナを守るために捕食者に対して攻撃をすることもある。
ジェンツーペンギンの生息地図
南極大陸を囲むように分布し、亜南極の島々および南極半島で繁殖する。 年間を通じて繁殖地の島の周辺にとどまるのが一般的だが、放浪個体(ワンダラー)は、温帯域のタスマニアやニュージーランドにまで達する。
キタジェンツーは、採餌に適した大陸棚が広がる亜南極の島々に推定23万8000つがい以上。 ミナミジェンツーは、南極半島とその島々に推定3万7200つがいが繁殖している。 全繁殖個体数は31万4000つがい。
ジェンツーは、年間を通した、(通年繁殖)を行う。 地域やコロニー、あるいは年によって、繁殖時期は変動する。 地域によるずれは3ヶ月ほどで、南極前線周辺の島々では冬期6月に産卵し、南極海域では晩春のころに繁殖時期を迎える。 同じ島内でも、コロニーによって、産卵日に数週間ものずれが生じる場合がある。 寒冷な高緯度地域では、海水温度の比較的高い低緯度地域に比べて産卵の同調性が高まる。 その年の産卵が早まれば、その分だけ産卵時期が長くなり、早い時期に繁殖に失敗したつがいが産卵をやり直すことができる。 クロゼ諸島では、冬期の繁殖が可能です。
これはジェンツーが日和見主義の摂食者であり、加えて冬が比較的穏やかな事と、 他のペンギン類と分布域が重複していない為に餌の取り合いが起こらない為です。
巣は、地表面を足でかき取ってできたくぼみに、草や小石、羽毛、貝殻、骨コケなどを、こんもりと山状に敷いて作る。 植物が無いときは小石で作るが、タソックグラス(南半球の亜寒帯地域の草原で優占するイネ科植物の総称)が生えていれば、そこに営巣する。 巣間は1m離れているが、繁殖期が終わるころには、辺りの植物は枯れ果ててしまう。 その為、同じ営巣地が2年連続して使われることはまれである。
ヒナは3〜4週齢まで巣で育てられ、その後、巣の周辺で小さなクレイシを形成する。 ヒナが大きくなると餌が足りなくなるので、両親がそろって採餌に出かけるようになる。 その間、ヒナは毎日置いてけぼりになるので、天敵から身を守るためヒナ同士が集まってクレイシを形成する。
さらに大きくなるとクレイシ同士は合流しながら海辺へと移動し、親鳥の帰りを待ち受ける。 親鳥が上陸してくると、早速ヒナは餌をもらおうと大急ぎで後を追い掛け始める。 ヒナはコロニーから300mほど連れ出され給餌を受ける(連れ出し給餌)。 日が立つにつれ、クレイシは全体として自由に移動するようになり、ヒナが巣立つころには、しばしば営巣地からかなり離れたところに来ている。
抱卵は34〜36日間続く。 育児中の採餌では、親鳥は5〜6時間巣を留守にする。 早朝巣を留守にした親鳥は、もう一方が午後から出かけるのに合わせて巣に戻る。 そして、夕方までには大半が陸上に上がる。
ヒナは約14週齢で巣立つ。 このころになっても巣立ちビナはちょっと水に入るだけで岸の戻ることもあり、さらに数週間、親鳥から餌をもらう生活を続けるものと思われます。
1月に繁殖地の島々で15〜21日に及ぶ換羽期に入る。
ジェンツーにだけ見られる現象として、羽毛の一部が一定期間、抜けずに残って断熱材の役割をする。
その為、憶病者の彼らは、危険から身を守るために少しの間だけ水に入ることができる。
餌をねだるヒナ達の、
追いかけっこが、
今、始まる。